日本中央競馬会(JRA)の調教師や調教助手らが新型コロナウイルス対策の国の持続化給付金を不正受給した疑いがある問題で、JRAは6日、騎手13人を含む165人が受給し、総額は約1億8900万円に上るとする調査結果を公表した。163人が返還済みか手続き中という。2月18日から関係者2748人を対象に調べていた。

JRAの後藤正幸理事長は「制度の趣旨・目的を十分に踏まえずに受給していたことが判明した。あってはならないことで、中央競馬の信頼に関わる問題になったことをおわびする」とのコメントを出した。

調教師や調教助手らは、管理する馬がレースで獲得した賞金に応じて得られる報酬が新型コロナの影響を受けて減少したとして受給していた。ただ、後藤理事長は1日の衆院予算委員会で「中央競馬の賞金に由来する収入についてはコロナの影響は極めて限定的だ」と述べ、日本調教師会も影響は「ほぼ皆無」としていた。

一連の問題では、馬主でもある大阪市の男性税理士が昨年5月の申請受け付け開始直後から案内文を配り、勧誘。受給額の7~10%の「成功報酬」を受け取っていた。男性税理士は「(コロナの)影響は直接・間接を問わず広範に生じ得る」と主張していた。

問題発覚を受け、野上浩太郎農相が2月中旬、JRAに事実関係の把握を指示。JRAは日本調教師会と共に騎手や調教師、調教助手らへの調査を進め、5日に結果を農林水産省に報告した。

関係者によると、JRAと日本調教師会は、茨城県美浦村と滋賀県栗東市にあるトレーニングセンターの関係者に受給の有無を尋ねる調査書を配布。「(受給は)適正」「返還した」「返還の予定」といった選択肢があり、申請の経緯や担当した税理士名も確認した。(共同)