加藤勝信官房長官は9日の記者会見で、NTT側の高額接待を受けて総務審議官を更迭された谷脇康彦氏(60=官房付)が3月末で定年を迎えると明らかにした。武田良太総務相は記者会見で「事実確認を徹底的に行う」と強調。谷脇氏ら接待に関与した職員への調査徹底と処分時期が焦点となる。

NTTは同日、澤田純社長らによる総務省幹部への接待問題に関し、事実関係や目的を究明する特別調査委員会を設置したと発表した。NTTの社外取締役である榊原定征前経団連会長を委員長とし、検察OBら法律の専門家を加えた計4人で構成。表面化した4件以外の接待の有無なども調べ、会社側が取るべき対応について提言する。

総務省、NTT双方が調査を進めることになり、問題の全容や背景をどこまで明らかにできるかが問われる。

国家公務員法は一般職員の定年を60歳とする一方で、一部の幹部職員は人事院規則に基づき別途規定している。総務審議官の定年は62歳で、谷脇氏にも適用されるはずだったが、8日付で官房付に異動。加藤氏は「制度的には月末で定年を迎える」と説明した。

ただ定年や辞任で退官した国家公務員に対しては、在任中の行為を「懲戒処分相当」と認定して退職金減額などのペナルティーを科すことができる。仮に谷脇氏が定年退職しても、本人の同意があれば現役官僚への懲戒処分に相当するペナルティーの適用が可能だ。

総務省は、元検事の弁護士ら第三者を入れた省内チームで調査を急ぐ方針。放送・情報通信の部局の現役職員を中心に実態把握を進め、違法な接待があれば処分を検討する。

NTTの特別調査委は、谷脇氏ら総務省幹部とNTTグループ経営陣との会食に関する事実関係を確認。NTTの事業計画などに対する許認可権を持つ総務省に便宜を求めるような行為があったかどうかも調べる。週刊文春が報じた接待4件以外の問題の有無も洗い出す方針で、榊原氏のほか伊藤鉄男元最高検次長検事らが加わる。(共同)