米南部ジョージア州で3月に成立した投票権を事実上制限する州法に対し、抗議が拡大している。

黒人などマイノリティー(少数派)を標的にしたとの見方が強く、バイデン大統領は「非米国的な法律」と批判。米大リーグ機構(MLB)は2日、7月のオールスター戦の開催地を同州アトランタから変更すると発表した。

州法は期日前や郵便での投票を巡り、用紙請求期間の短縮や身分証明の厳格化、投票箱の削減といった制限を導入。投票所に並ぶ人への水や食料の提供も禁じ、長蛇の列ができやすいマイノリティー居住地区を狙い撃ちにしたと指摘される。

成立阻止に向けて十分に動かなかったとして、州内に拠点を置くデルタ航空やコカ・コーラなどの大企業に非難が集中。両社のトップが州法反対を表明する異例の事態になった。

同州では昨年11月の大統領選で、民主党のバイデン氏が共和党のトランプ前大統領に勝利し、1992年以来初めて共和党候補が負けた。トランプ氏は選挙で大規模不正があったとのデマを拡散。同調した支持者の圧力を背景に、州与党の共和党が「公正な選挙」の必要性を掲げて州法制定を強硬に進めた。

民主党からは、2022年の中間選挙を含めた今後の選挙で共和党が有利になることを狙った動きだと非難が噴出。バイデン氏は、南部各州でかつて人種差別や隔離を正当化した法律の総称「ジム・クロウ法」を念頭に「21世紀のジム・クロウだ」と強調した。

連邦下院では多数派の民主党が主導し、今年3月に有権者の自動登録や郵便投票拡大を目指す法案が可決されるなど、対抗策も出ている。

一方、共和党は南部テキサス、西部アリゾナ両州などで同様の措置を検討。米シンクタンク、ブレナン公正センターによると、大統領選後、3月下旬時点で47州で投票制限関連法案が計361本提出されているという。(共同)