新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、大阪府の吉村洋文知事(45)は7日、「医療非常事態宣言」を発出した。府内の医療提供体制が逼迫(ひっぱく)している。大阪府は7日、過去最多の878人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。感染者は2週間で4倍近く増え、吉村知事は民放の報道番組で「近く1000人を超える可能性もある」と危機感を示した。吉村氏は、府内全域で公道を走る東京五輪聖火リレーを中止すると表明した。

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7日午後、府の新型コロナウイルスの対策本部会議では危機的な報告が続いた。「これまで経験したことがないスピードで急速に病床が埋まっている」「あらゆる世代の方に感染が広がっている」。会議で吉村知事は「医療崩壊の危機にある」と厳しい表情を見せた。

府内では3月下旬から感染者が急増。府は7日の新規陽性者は878人が確認されたと発表。800人超は初めてで、719人だった6日に続き2日連続で最多を更新した。感染者数は2週間前と比較して4倍超となっている。

感染急拡大の要因について、吉村知事は「明らかに変異株の影響が確実に出ている」と分析し、「第4波」に入っているとの認識を示した。独自基準「大阪モデル」に基づく警戒度を最高の「赤信号」に引き上げ、「医療非常事態宣言」を発出した。昨年12月3日以来、大阪に再び「赤信号」がともった。赤信号の点灯基準は、重症用病床の使用率が70%以上が基準だが、7日は70・5%となった。

大阪府では5日に「まん延防止等重点措置」が始まり、大阪市内の飲食店に午後8時までの時短営業を要請している。市外でも午後9時までの時短営業を求めている。8日からは大阪府全域に不要不急の外出自粛要請を拡大する。

会議後の記者会見で、府民に不要不急の外出自粛を要請するのに伴い、吉村知事は13、14日の府内全域で公道を走る東京五輪聖火リレーを中止すると表明した。「不要不急の外出自粛を要請している場合、公道の聖火リレーは中止するという基準がある」と説明。「府内で聖火リレーするのは明らかに密をつくることになり、適切ではないと判断した」と述べた。

大阪市に「まん延防止等重点措置」が適用されたのを受け、大阪市内の公道での聖火リレー中止を大会組織委員会に正式に申し入れていたが、結論が出る前に府内全域での中止を決めた。公道での聖火リレーが中止されるのは初めて。代替措置として、13、14日に同府吹田市内の万博記念公園を閉め切って実施し、ランナーの家族など限定で応援できるようにしたいという。【松浦隆司】