イラン国営メディアによると、核開発の中枢を担う中部ナタンズの核施設で11日、電気系統の問題が発生した。

詳細は不明だが、サレヒ原子力庁長官は「テロ」との見方を示した。何者かによる破壊工作とみているもようだ。原子力庁は「けが人や汚染はない」と主張している。

イスラエルの民放「チャンネル12」は西側情報筋の話として、施設を破壊するためのサイバー攻撃の可能性があると報じた。誰が実行したかには言及していない。

ナタンズ施設では昨年7月に爆発が発生し、ウラン濃縮に使う遠心分離機の開発や組み立てを行っていた建物が損壊した。イラン原子力庁は、イスラエルが関与した破壊工作だったとの見方を示している。

イランは今月10日、ナタンズ施設で、改良型の遠心分離機「IR6型」を新たに稼働させたばかりだった。2015年の核合意は、イランが使えるのは旧式の「IR1型」だけと規定しており、核合意からの新たな逸脱となった。

改良型の稼働には、核開発拡大の姿勢を維持して米国に圧力をかける狙いがあるとみられるが、イスラエルなどはイランの核開発能力向上に神経をとがらせている。またイスラエルは、米国の核合意復帰にも反対している。

ナタンズ施設では10年にも、施設の全ての遠心分離機が停止する事態が起きた。米国とイスラエルが共同開発したとされる「スタックスネット」と呼ばれるコンピューターウイルスが原因とみられている。(共同)