日本政府が東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出を決めたことに対し、中国、韓国や台湾の政府や当局は13日、相次いで反発した。だが、韓国は自国の原発から放射性物質トリチウムを海水や大気中に大量放出。中国や台湾の原発でも過去に放出が確認されている。使用済み核燃料を扱う欧州の再処理施設は、放出量が原発より桁違いに多い。

韓国外務省は13日、相星孝一駐韓大使を呼んで抗議した。台湾外交部(外務省)の欧江安報道官は「海洋環境や国民の健康にかかわる問題だ」として「懸念」を表明する一方、日本の対応に理解も示した。

在韓国日本大使館によると、韓国は2018年、日本海沿いを中心に林立する原発から計360兆ベクレルのトリチウムを放出。福島第1原発の貯蓄量を2~3年で排出する計算になるという。

日本の経済産業省によると、英国のセラフィールド再処理施設は15年に、福島第1原発にたまった処理水に含まれるトリチウムの総量を超える計約1620兆ベクレルを放出した。

日本も委託するフランスのラ・アーグ再処理施設は15年に約1京3780兆ベクレルものトリチウムを放出。トリチウム放出の濃度基準は、国際放射線防護委員会(ICRP)が定めた年間被ばく線量限度の範囲内で、各国が独自に定めている。(共同)