東芝が、英投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズによる買収提案を拒否する方向で調整に入ったことが15日分かった。株式上場を取りやめる非公開化を前提としたCVCの買収案に対し、東芝幹部は大手銀行に「上場は絶対に維持する」と伝達。東芝の永山治取締役会議長(73)が反対していることも判明した。複数の関係者が明らかにした。

CVCは買収方針を変えず近く詳細な提案をまとめる方針だが、東芝の拒否により国内企業の協力も難しくなった。敵対的な株式公開買い付け(TOB)に発展する可能性が出てきた。

東芝の広報担当者は「買収案を拒否する方針を決めていない。詳細案の提案を受けて取締役会で協議する」とコメントした。

複数の関係者によると、東芝の中枢幹部が取引銀行に買収案を拒む意向を伝えた上で「CVCには融資しないでほしい」と非公式に要請した。CVCが2兆円を超える巨額買収に乗り出す場合、大手銀からの融資が欠かせないためだ。

別の関係者によると、CVCの買収計画を初めて協議した取締役会で、永山氏が買収提案書を机にたたきつけ、14日付で辞任した車谷暢昭前社長(63)に対し「あなたがこの計画を書いたのか」と強い不快感を表明。今もこの反対方針は変わっていない。

CVCは東芝の技術が海外に流出するとの懸念を和らげる狙いから、日本政策投資銀行や官民ファンドの産業革新投資機構、国内の事業会社の参画を想定し、関係企業への打診を始めたが、政投銀と機構は否定的だ。

一方、米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)なども買収提案を検討していると報じられているほか、東芝株の4分の1程度を握っているとみられ、車谷氏との対立が続いたエフィッシモ・キャピタル・マネージメントなどの「物言う株主」の出方も注目され、先行きは混沌(こんとん)としている。(共同)