2015年に90歳で死去した光学機器大手「HOYA」(東京)の鈴木哲夫元社長の遺族が、東京国税局の税務調査で相続財産約90億円の申告漏れを指摘されていたことが18日、関係者への取材で分かった。HOYA株を遺族が事実上相続していると判断し、資産額を算定し直したもようだ。追徴税額は過少申告加算税を含め約50億円で、遺族側は納付したとみられる。

関係者によると、鈴木氏は14年、保有する百数十億円分のHOYA株を自身の資産管理会社「エス・アイ・エヌ」に現物出資し、エス社の株を取得。エス社はその後、子会社化した別の資産管理会社にHOYA株を寄付した。

鈴木氏の死後、エス社株を相続した遺族は、株価を約20億円と算定して相続税を申告。だが国税局は、エス社の子会社が持つHOYA株の価値が反映されていないのは不適当だとして、エス社の株価を約110億円と算定し直した。資産を再評価する規定の適用は珍しいという。

ホームページなどによると、HOYAは1941年創業。眼鏡レンズや医療用内視鏡の製造販売を手掛け、20年3月期の連結売上高は約5765億円。鈴木氏の社長在任期間は30年以上に及んだ。現在最高経営責任者(CEO)の鈴木洋氏は長男。(共同)