中国の習近平国家主席は20日、海南省で開かれている博鰲アジアフォーラムの年次総会の式典でビデオ演説し「いかなる形式の『新冷戦』と、イデオロギーの対抗にも反対すべきだ」と述べ、中国への対抗を強める米国をけん制した。また台湾や香港、新疆ウイグル自治区などの問題での対中批判を念頭に「内政干渉は人々の支持を得られない」と述べた。習氏が日米首脳会談後に対外的に演説するのは初めてで、日米の中国に対する懸念にも反論した形だ。

習氏は演説で「一国、あるいは数カ国が定めた原則を他に押しつけてはならない」と強調し、米欧主導の国際秩序に反発。「人為的なデカップリング(切り離し)は経済の規律と市場の規則に反し、利益をもたらさない」と述べ、米国の対中政策にくぎを刺した。「世界に覇権はいらない。大国には大国らしさが必要だ」と強調した上で「(中国は)永遠に覇権を唱えず、拡張しない」と述べ、中国脅威論の払拭(ふっしょく)も図った。

多国間主義を強調し、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」を発展させる方針も表明した。同フォーラムは中国が主催し、各国の要人や経営者が経済問題を議論する。習氏は2018年の年次総会に出席した際は、保護主義への反対を訴え、当時のトランプ米政権をけん制した。昨年は新型コロナの影響で中止しており、2年ぶりの開催となった。