インターネット上の誹謗(ひぼう)中傷を受けた被害者の迅速な救済に向け、匿名の投稿者を特定しやすくする改正プロバイダー責任制限法が21日、参院本会議で全会一致により可決、成立した。来年秋ごろまでに施行する。現行では、投稿者の特定に手続きが2回必要だが、新たな裁判手続きを創設し、1回で完結するよう改める。

匿名の発信者による投稿で被害を受けた場合、投稿者を情報開示で特定し、損害賠償請求を行う。特定には会員制交流サイト(SNS)事業者やプロバイダー(接続事業者)を相手にそれぞれ訴訟を起こすなど2回の手続きを経るため、円滑な被害救済には手間がかかっていた。

新たな手続きでは事業者を訴えなくても、被害者の申し立てに基づき裁判所が開示の適否を判断するため、1回の手続きで済み、被害者の負担が軽くなる。時間の短縮にもつながることが期待される。現状の発信者の氏名や住所に加えて、ログイン記録を開示対象に含めることも盛り込んだ。

ネット上の中傷を巡ってはフジテレビの人気リアリティー番組「テラスハウス」に出演していたプロレスラーの木村花さん=当時(22)=が死去した。SNS上で多数の中傷を受けていたことから対策強化を求める声が強まった。

木村花さんの母響子さんは「被害者の迅速な救済につながる大きな一歩」などとするコメントを発表した。「まだまだ被害者が背負う精神的、経済的負担は大きい」とも指摘した。(共同)