自民党の安倍晋三前首相は22日夜、東京都内で開かれた夕刊フジ主催の憲法シンポジウムに出席し、相手国の弾道ミサイル発射拠点などを攻撃する「敵基地攻撃能力」を自衛隊は保有すべきだとの意向を重ねて示した。「本気で、打撃力を抑止力として考えるべきだ。実際の手段と作戦計画も整える必要がある」と述べた。保有は合憲だとも主張した。

同時に、迎撃ミサイルを軸にした自衛隊のミサイル防衛について「莫大(ばくだい)な費用をかけているが、本当に難しい技術だ」と指摘。有事に米軍が敵基地攻撃に向かう際、自衛隊が加わらない場合が生じ得るとして「まさに日米同盟に対する大きな挑戦になる」と危惧した。

首相在任時の2017年以降に訴えた憲法9条への自衛隊明記の必要性も改めて唱えた。

改憲の発議要件を規定した96条に関し「国会議員の3分の1ちょっとが改正反対なら、国民の半数以上が賛成でも変えられないのは、ちょっといかがなものかと今でも思っている」と語った。

改憲手続きを定めた国民投票法改正案を早期に成立させるべきだと強調。衆院憲法審査会での採決は時期尚早とする立憲民主党などを念頭に「国会議員として恥ずかしいと思わなければならない」と批判した。(共同)