トヨタ自動車は22日、脱炭素に向け、水素を燃やして走るエンジン車を開発し、量産を目指す方針を明らかにした。基本的に二酸化炭素(CO2)を出さず、現行のガソリン車の部品を活用できるのが特徴。電気自動車(EV)や水素で発電しモーターを駆動させる燃料電池車(FCV)に続く、新たな環境車として期待される。まずは自動車レースに導入し、データを収集する。

水素エンジンの仕組みはガソリンエンジンとほぼ同じで、ガソリンの代わりに水素を使う。燃料を吹き付ける部品などを除き、多くの既存の部品を流用できるという。一方で、燃焼時に発生する窒素酸化物(NOX)の抑制や燃費性能の低さ、耐久性などが課題だ。

2000年代には一部メーカーで商品化の動きも見られたが、水素を供給するステーションの整備の遅れなどもあり普及には至っていない。トヨタの量産時期は決まっていないものの、開発に成功すれば普及に弾みがつきそうだ。

22日にオンラインで取材に応じた豊田章男社長は「80年近い自動車業界での蓄積がある。水素エンジンは(温室効果ガス排出量を実質ゼロにする)カーボンニュートラルの道の一つだ」と強調した。

開発の一環として、トヨタの「カローラスポーツ」をベースに水素エンジンを積んだ車両で、5月に富士スピードウェイ(静岡県小山町)で開かれる24時間耐久レースに参戦する。レースで課題の洗い出しを進める。福島県浪江町にある世界最大規模の水素製造拠点「福島水素エネルギー研究フィールド」で製造した水素を使用する。

トヨタによると、水素のみを燃やして走るエンジン車でのレース参戦は世界初という。(共同)