和歌山県田辺市の資産家野崎幸助さんを殺害したとして逮捕された元妻の須藤早貴容疑者(25)を乗せた飛行機は28日午前8時50分ごろ、同県白浜町の南紀白浜空港に到着した。駐機場に止められた捜査用のワゴンに捜査員と乗り込み、午前9時半ごろ、前後2台の捜査車両と田辺署に到着。うつむきかげんで、長い髪が表情を隠していた。

県警は午前5時14分、東京・品川のマンションで逮捕した。県警によると、1人で部屋のベッドにいた。逮捕状を示すと素直に応じたが、うなだれていたという。

マンションの住人の男性(51)によると、40階建てでジムやゲストルームを備え、コンシェルジュがいる。男性は「和歌山の事件なのに東京に住んでいるとは驚いた」。2人の子どもがいる女性(35)は「芸能人や有名人が多く住んでいる。近所付き合いはないに等しい」と話した。

札幌市北区の須藤容疑者の実家近くに住む80代男性は、帰省した際に派手な格好をしていたのを覚えている。テレビで逮捕されたことを知り「本当に年の離れた野崎さんを好きで結婚したんだろうか」と首をかしげた。

野崎さんが住んでいた田辺市の家の玄関は閉じられ、外に向かってカメラが多数設置されている。須藤容疑者が出入りするのを見たことがあるという近所の男性(54)は「野崎さんと結婚しているとは思えなかった。おとなしい雰囲気の人だった。事件がうやむやなままだと気持ちが悪い。このまま解決に向かっていってほしい」と語った。

市内に住む野崎さんの親族は「あれだけ財産を築いたのにかわいそうだ。亡くなった後、(須藤容疑者と)数回会ったが、ほとんど印象はない」と振り返った。

「被害者の冥福を祈り、全容解明に向け捜査を進める」。田辺署で午前11時から始まった記者会見で県警の徳田太志刑事部長が語った。約50人の報道陣が詰めかけ「動機は」「物証は」との質問が相次いだ。県警は多くについて回答を控えたが、保田彰捜査1課長は「逮捕に至るまでの証拠を積み上げてきた自信はある」と強調した。(共同)