森友学園への国有地売却に関する決裁文書改ざん問題で、自殺した財務省近畿財務局の元職員赤木俊夫さん(当時54)が改ざんの過程を書き残したとされる文書「赤木ファイル」の存在を、国側が認める方針を固めたことが5日、関係者への取材で分かった。

妻雅子さん(50)が国側に損害賠償を求めた訴訟の手続きで、6日にも文書で回答するとみられる。今後はどの範囲まで開示されるかが焦点となり、詳しい指示系統が明らかになる可能性がある。

雅子さん側が2020年3月の大阪地裁への提訴時にファイルの提出を要請。国側はこれまで存否を明らかにしていなかったが、地裁が6日までに回答するよう求めていた。

財務省が18年6月に公表した調査報告書によると、理財局長だった佐川宣寿氏(63)が改ざんの方向性を決定づけ、理財局幹部らが前首相夫人の安倍昭恵氏に関わる記述を削除するなどした。近畿財務局側の関与も記されているが、赤木さんの作業の詳細は明らかにされていない。

雅子さん側は今年2月、ファイルの提出命令を大阪地裁に申し立てた。雅子さん側によると、赤木さんは生前の手記で、佐川氏らが改ざんを指示したと記載し、雅子さんに「自分がやってしまったことを事細かく書いて残してある」「ファイルにとじている」と説明。自殺後には、直属の上司だった池田靖氏が雅子さんにファイルの存在を認める証言をした。

国側は当初、訴訟で「(ファイルの)存否を答える必要はない」とし、国会では麻生太郎財務相が「司法審査に影響を及ぼすべきではなく、訴訟外で答えるのは差し控える」と答弁していた。

国側は訴訟で存否の確認に時間がかかる理由として<1>対象の文書量が著しく膨大<2>新型コロナウイルス禍で業務態勢を縮小-を挙げ、今年3月の訴訟手続きでも「探索中」としていた。(共同)