2019年6月以来となる党首討論が9日に国会で開催され、菅義偉首相と野党4党首の間で激論が交わされた。野党4党は全体で持ち時間45分。トップバッターの立憲民主党の枝野幸男代表は30分間の一対一の勝負に挑んだ。

▽五輪で感染リスク-枝野氏

▽コロナ克服を発信-首相

【コロナ対策】

枝野幸男立憲民主党代表 今年に入り、法令に基づく自粛などの要請が出されていなかったのは、わずか3週間だ。3月の緊急事態宣言解除が早すぎた。新型コロナウイルスの第5波は絶対に防がなければならない。同じ間違いをしないために基準を厳しくすべきだ。

菅義偉首相 ワクチンの接種回数は、少なくとも今月末には4千万回を超えることができると思う。10月から11月にかけて、必要な国民について全て終えることを実現したい。感染対策はワクチンが出てから大きく変わった。接種に全力を挙げて取り組み、感染拡大を食い止めたい。

【東京五輪】

枝野氏 五輪開催を契機に感染拡大を招くリスクがある。首相は国民の命と健康を守ると言っている。開催を契機に国内で感染が広がり、国民の命と健康を脅かすような事態を招かないということも含むのか。

首相 来日する大会関係者は当初18万人と言われたが、半分以下に絞り、さらに縮小する方向で検討する。海外メディアが国民と接触しないよう衛星利用測位システム(GPS)で行動管理し、しっかり検査もする。

1964年の東京五輪の時は高校生だった。(勝利した)柔道のオランダのヘーシンク選手が、抱きついてくるオランダの役員たちを制して敗者の神永昭夫選手に敬意を払った瞬間を忘れることができなかった。

こうした素晴らしい大会を今の子どもや若者に見てもらい、希望や勇気を伝えたい。世界が新型コロナという困難に立ち向かい、団結して乗り越えられた。そうしたことも日本から発信したい。

枝野氏 命が失われたら取り返しがつかない。失われた命に政治は責任を取れない。そのことへの首相の認識が十分ではない。

【21年度補正予算】

枝野氏 事業者らへの支援は対象が限定され、継ぎはぎされたパッチワークのようだ。30兆円規模の補正予算を編成するべきだ。

首相 2021年度予算の予備費などを活用する。一日も早く感染を収束させるのが最大の景気対策だ。

【LGBT法】

枝野氏 LGBTなど性的少数者への理解増進を図る法制定は、国会の閉会を言い訳に先送りすべきではない。

首相 今残っている法案を会期内に成立させるのが政府の今の立場だ。

【国会会期延長】

枝野氏 国会を大幅に延長し、新型コロナという国家の危機に立ち向かうべきだ。

首相 国会のことは国会で決めてほしい。

枝野氏 危機を乗り切るために機能する政府を取り戻すには、政権を代えるしかないと確信した。

(共同)