警察庁の松本光弘長官(60)と警視庁の斉藤実警視総監(59)が退任し、後任の新長官に警察庁の中村格次長(58)、新総監に大石吉彦警備局長(58)を起用する人事が14日の閣議で了承された。発令は警視総監が16日付、長官が22日付。

中村氏は福岡県出身、東大卒。1986年に警察庁に入り、刑事畑での勤務が長く、汚職事件などの知能犯捜査に精通している。菅義偉首相の官房長官在任時も含め2009~15年に官房長官秘書官を務めた。警視庁刑事部長や官房長も歴任し20年1月から次長。

就任後は来年4月に設置されるサイバー局の立ち上げ、自動運転などの交通ルール策定が課題になる。

加藤勝信官房長官は14日の記者会見で、中村氏の起用について「東京五輪・パラリンピックの警備でも職責を十分に全うされた。警察行政におけるさまざまな実績を踏まえて任命を承認した」と述べた。

大石氏は静岡県出身、東大卒。86年に警察庁に入り、警備課長、首相秘書官などを歴任、19年1月に警備局長に就任した。98~01年には民族紛争まっただ中の旧ユーゴスラビアに日本大使館の1等書記官として赴任。在留邦人の安全確保に努めた。12年の第2次安倍晋三内閣発足時には首相秘書官に。約6年にわたり安倍氏を支えた。

就任後は特殊詐欺やサイバー犯罪対策、世田谷一家殺害など未解決事件の捜査が課題となる。

松本氏は神奈川県出身。83年に警察庁入庁。東日本大震災発生当時の福島県警本部長で、人命救助や復興に尽力した。国際テロ対策に明るく、警備局長、次長などを歴任し20年1月から長官。任期中は、あおり運転の厳罰化や、新型コロナウイルス禍で1年延期された東京五輪・パラリンピックの警備を完遂した。

斉藤氏は東京都出身。85年に警察庁に入り、神奈川県警本部長、警視庁副総監などを経て20年1月に総監に。多くの大規模警備を指揮した。任期中は、東京大会の警備に尽力。磁気健康器具の預託商法を展開し破綻した「ジャパンライフ」を巡る詐欺事件も摘発した。(共同)