甲府市の住宅が全焼し、住人の井上盛司さん夫婦とみられる2人の遺体が見つかった放火事件で、10代の2人の娘のうち妹への傷害容疑で逮捕された少年(19)が姉に「一方的に好意を寄せていたが、思い通りにならなかった」と供述していることが14日、捜査関係者への取材で分かった。南甲府署捜査本部は少年を送検。事件につながる動機とみて詳しい経緯を調べている。

捜査本部によると、司法解剖の結果、遺体は男女で、刃物によるとみられる複数の刺し傷があったことが分かった。失血死で、大きな傷もあり、襲われて短時間で死亡した可能性がある。

また焼け跡から油類を入れる缶を発見、押収したほか、井上さんとみられる男性、妻とみられる女性の順に襲い、事件後には着替えて移動していたことも捜査関係者への取材で分かった。車を運転できる少年が事前に準備した計画的な疑いがある。

少年は逮捕直後「間違いありません。1人でやった」と容疑を認め、放火もほのめかしていた。今後、放火や殺人の疑いでも調べる方針。

複数の住民が「灯油の臭いがした」と証言していた。遺体は損傷が激しく、身元はなお確認中としている。

火災は12日未明に発生。少年のけがは小指の骨折で腱(けん)が断裂していた。井上さん夫婦ともみ合った際に負ったとみられる。同日午後7時ごろ、車で山梨県身延町の駐在所に出頭し「人を殺してしまった」と話した。顔をやけどし、手にテーピングをしていた。

姉は長女、妹は次女で、頭にけがをしたのは次女。「逃げたら後ろから襲われた」と説明している。捜査関係者によると、少年は長女と同じ高校で面識があるという。

14日夜には住宅前に花が供えられているのが確認された。(共同)