愛媛県新居浜市の住宅で岩田健一さん(51)ら住人の親子3人が刺され死亡した事件で、県警は14日、銃刀法違反容疑で逮捕した住所不定、無職河野智容疑者(53)が9月23日にも被害者宅に押し掛けていたと明らかにした。110番があり警察官が急行し、訪問をやめるよう指導していた。河野容疑者はその際「(被害者は)電波攻撃をやめろ」と話したという。

県警によると、2019年9月と11月にも岩田さんから河野容疑者に関する相談を受けていた。容疑者からもこれまでに複数回相談があった。県警は「具体的な被害はなかった。現時点では所要の措置を講じたと考えている」と説明している。

岩田さんら3人の体には、複数の切り傷や刺されたような傷があることも捜査関係者への取材で判明。県警は銃刀法違反容疑で逮捕したが、かつて職場の同僚だった岩田さんとのトラブルから恨みを募らせて襲撃、岩田さんの両親が巻き込まれたとみて捜査している。

岩田さんを中傷するような文章が2年ほど前、インターネット掲示板に複数書き込まれていたことも分かった。容疑者と同じ「河野智」を名乗り、「はよ来いよ!」と挑発する内容もあった。県警も把握しており、関連を慎重に調べる。

県警によると、13日午後5時40分ごろ、岩田さんの母アイ子さん(80)から「前に来た男ともめている」と110番があり、約10分後に駆け付けた新居浜署員が父友義さん(80)を含む一家3人が血を流して倒れているのを発見した。

近くで河野容疑者が刃渡り約13センチのナイフを所持しており、県警が現行犯逮捕した。逮捕後の調べに「殺すつもりでナイフを持っていた」と供述。岩田さん宅近くでは河野容疑者の軽乗用車が見つかった。県警は今後、殺人容疑に切り替えてトラブルの内容や事件の動機を追及する方針。

県警はアイ子さんの名前を「愛子さん」と発表していたが、14日に訂正した。(共同)