秋田、青森両県にまたがる白神山地の土壌に生息する細菌由来の酵素に、新型コロナウイルス感染による肺炎の重症化を改善する効果があることを、秋田大などの研究グループが25日までに英科学誌電子版で発表した。今後、治療薬開発への活用が期待される。

同大学院医学系研究科の久場敬司教授らは細菌が持つ酵素「B38-CAP」に着目。人が持つ酵素「ACE2」と同様、高血圧や心不全、重症急性呼吸器症候群(SARS)など重症肺炎の改善に役立つと突き止めた。

秋田大によると、人が持つ酵素は肺炎の重症化を抑制するが、新型コロナウイルスと結びつき、細胞内への侵入を許す性質も持つ。一方、新たに見つけた酵素はウイルスと結合せずに肺炎を抑えることができる。

人と同じ酵素「ACE2」を持つハムスターや、遺伝子を操作してこの酵素を持つようにしたマウスで実験したところ、新型コロナに感染すると、肺で酵素の数が減少し、肺炎が悪化したが、細菌由来の酵素を投与するといずれも症状が軽減された。

人由来の酵素は培養に時間がかかり、大量製造が難しく、医薬品の開発は進んでいなかった。新たに見つけた細菌由来の酵素は量産も容易だといい、久場教授は「コロナの新たな治療法開発にもつながる」と話した。(共同)