25人が犠牲となった大阪・北新地のビル放火殺人事件で、谷本盛雄容疑者(61)=昨年12月30日に死亡=のスマートフォンに「日本史上最悪の凶悪事件はどんな事件がありますか」という内容を調べた履歴が残っていたことが14日、分かった。17日で発生から1カ月。大阪府警が報道陣に捜査状況を明らかにした。スケジュールアプリに昨年6月以降、事件の計画性を示す記録が複数あったことも判明した。

36人が犠牲になった2019年の京都アニメーションの事件など、国内外の複数の放火殺人事件を検索した履歴や「死ぬ時ぐらい注目されたい」という見出しの記事を見たとみられる形跡もあった。府警は谷本容疑者を殺人と現住建造物等放火容疑で早ければ年度内にも書類送検する方針で調べている。

アプリには昨年6月14日以降、現場となった心療内科クリニックを下見した様子を記録するなど、事件に関連するとみられる計9日分の記載が残されていた。

「21時13分先生が1階出入り口から出てきた」(9月9日)、「心療内科9時58分までに計22人一気に入ってきた」(10月22日)などと記されていた。事件当日の12月17日は金曜日で、午前10時から休職した人の職場復帰をサポートする「リワークプログラム」が開かれていたが、10月22日も金曜日だった。人が多い曜日を確認し狙った疑いがある。当日の欄は「ライターに火が付くか必ず確認」と記されていた。

谷本容疑者は現場にガソリンをまき火を付けた疑いが持たれているが、12月2日に兵庫県尼崎市でガソリン約20リットルを購入していたことが新たに判明。これまでは11月30日に大阪市で約10リットルを買ったことが分かっていた。

またクリニック近くの防犯カメラ映像には、事件前日の12月16日夜に現場近くのコインロッカーにポリタンク一つを入れる様子も写っていた。放火に使うガソリンが入っていたとみられる。

クリニックの電子カルテの解析からは、容疑者が17年3月から「夜眠れない」などと訴えて計112回受診し、昨年12月3日が最後だったことも判明した。クリニックとのトラブルは把握されていないという。

ビル1階のごみ箱からは容疑者が現場に乗り付けた自転車の鍵と、自宅とみられる大阪市西淀川区の住宅の鍵が見つかっていたことも分かった。府警は容疑者が大勢の人を巻き込む「拡大自殺」を企て、不要な所持品を捨てたとみて調べる。(共同)