世界各地でテロ事件を起こした「日本赤軍」を結成し、オランダのフランス大使館が武装占拠された1974年のハーグ事件に関与したとして懲役20年の判決が確定した重信房子元最高幹部(76)が28日、刑期満了を迎え、服役していた医療刑務所「東日本成人矯正医療センター」(東京都昭島市)を出所した。

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巧みな人心掌握術で組織を拡大していく姿から、周囲に「魔女」と称された日本赤軍の重信房子元最高幹部。収監中はがんと闘いながら日記のように短歌と日々の思いを手紙につづり、支援誌への寄稿を続けた。

1965年に明治大に入学すると、学生運動に没頭。途中からは教師になる夢を捨て、革命を目指したとされる。支援者の70代男性によると、愛称は「ふーちゃん」。ロングヘアと紺色のスーツ、レースの付いた白い手袋が印象的だった。「文学少女で文才があり、人を説得する能力にたけた人。新左翼の専門用語は並べず、ベトナム戦争の実態などを平易な言葉で伝えてオルグをしていた」。別の70代男性支援者は「海外で闘う彼女は新左翼のヒロインだった」と振り返る。

73年にレバノンでパレスチナ人男性との間に生まれた長女メイさん(49)は、幼い頃に母親から日本の桜や紅葉の話をよく聞かされたという。「母は差別が大嫌いで、不公平なことも許さなかった。だからパレスチナ問題にも関わってきたし、今後も続けると思う。彼女を誇りに思っている」とし「出所後は一緒に自然を楽しんで、来年は花見もしたい」と話す。