栃木県那須町の那須どうぶつ王国が「砂漠の天使」と呼ばれるスナネコのミュージックビデオを公開した。愛らしい姿から近年はペット需要が高まっているものの気性は荒く、安易に飼うことに警鐘を鳴らす狙いも込めた。鈴木和也総支配人(61)は「ペットには不向きだと作品を通して伝えたい」と話している。

「かわいいからってなめないで」「飼いならせると思わないで」。動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開中の「スナネコのうた」では、あくびをしたり、じゃれ合ったりとさまざまな動きを見せるスナネコの映像に、メッセージ性を持つ歌詞を合わせた。

監督したクリエーティブディレクターの富永省吾さんは「野性的なスナネコの特徴を取り入れ、楽しく啓発できればと考えた」と振り返る。7月上旬から公開し、再生数は80万回を超えた。

スナネコは中東などの砂漠に生息する野生猫で、成猫でも体長は40~60センチ程度。那須どうぶつ王国は2020年4月に国内初の繁殖に成功し、現在は5匹を飼育する。

世界自然保護基金(WWF)ジャパンによると、スナネコの商業目的での日本への輸入は02~18年は確認されなかったが、19年は29匹と急増した。多くはペット用とみられ、1匹の販売価格は数百万円に上るという。

現時点で絶滅の恐れが高いとはみられていないが、WWFジャパン野生生物グループの浅川陽子さん(42)は「ペット化の需要から乱獲されることで、将来的に個体数が減る危険がある」と懸念している。