国連のグテレス事務総長は6日、広島市で開かれた平和記念式典であいさつし、ロシアによるウクライナ侵攻で核の危機が高まる中、今年6月に開かれた核兵器禁止条約の第1回締約国会議などに言及、「希望の兆しはある」と強調した。また、核兵器保有国に対し、敵の核攻撃を受けない限り核を使わないとする「先制不使用」を「約束しなければならない」と呼びかけた。

米ニューヨークの国連本部では、核軍縮の針路を探る核拡散防止条約(NPT)再検討会議が開催中。保有国への不信が増大、核禁止条約を支持する非保有国と溝が深まっており、被爆地から踏み込んだ発言で警鐘を鳴らし、軍縮交渉の難局打開を促したい考えだ。

国連事務総長の広島訪問は12年ぶり。グテレス氏は「深刻な核の脅威が世界各地で急速に広がっている」と危機感を表明。被爆者の証言は「核兵器の愚かさに気付かせてくれる」として、廃絶が脅威をなくす唯一の方法だと指摘、「ノーモア・ヒロシマ。ノーモア・ナガサキ」と訴えた。

原爆資料館も訪問した。被爆者、岸田文雄首相や広島市の松井一実市長らと会談。グテレス氏は2018年、現職として初めて長崎市の平和祈念式典に出席した。(共同)