岸田文雄首相は22日午前(日本時間夜)、「Go To トラベル」に代わる観光支援策「全国旅行割」を10月11日から始めると表明した。イベントに適用する割引事業も同日から実施する。併せて新型コロナウイルスの水際対策の一環で1日当たり5万人としていた入国者数上限を撤廃し、短期滞在ビザの取得免除や個人旅行の受け入れも解禁する。

旅行割は都道府県が行う「県民割」を広げる形で行う。旅行業者や宿泊施設にとっては開始までの準備期間が少なく、新規予約の受け付けなどで混乱なく県民割から移行できるかどうかが課題だ。地域経済の立て直しにつながるのか成果が問われる。制度の詳細は近く公表する。

岸田首相は「多くの方に活用してもらい、コロナ禍で苦しんできた旅行業やエンタメ業などを支援したい」と強調した。

旅行割は宿泊代金の割引と、飲食や買い物に使えるクーポン配布で1人1泊当たり最大1万1000円を支援する見通し。感染拡大の影響で7月からの予定を見送っていたが、感染者数の減少を受けて実施に踏み切る。秋、冬の国内旅行需要の底上げを図る狙いがある。

関係者によると、「全国旅行支援」という名称で検討してきたが、調整の結果、名称を変える。

水際対策ではこれまで入国者数上限を設けた上で、ビザ取得を一律義務化。個人旅行は認めずパッケージツアーに限って訪日客を受け入れており、観光業界などから緩和を求める声が強まっていた。

政府関係者によると、今回の緩和後も、ワクチン3回目の接種証明が必要。接種証明がなければ、現地出国前72時間以内の陰性証明を求める。

イベント割はテーマパークやスポーツ観戦、音楽ライブ、演劇といった幅広い分野が対象。ワクチンの3回接種や検査の陰性証明を提示した人の入場料を、2000円を上限に2割引きする。(共同)