ウクライナで23日、ロシア軍による首都キーウ(キエフ)など各地へのミサイル攻撃があり、電力会社ウクルエネルゴは広い範囲で電力インフラが損傷したとして、全土での緊急停電を実施した。原子力企業エネルゴアトムは、国内4原発の緊急保護システムが作動し、外部電源と切断したと発表した。4原発の放射線量に異常はないとしている。

ウクライナではエネルギーインフラが繰り返し攻撃を受けている。米政府は声明で「ウクライナの男女や子どもをさらに苦しめ、死に至らしめる目的に向かって突き進んでいる」とロシアを非難し、原発事故のリスクも高めていると訴えた。

ウクルエネルゴは、事故を防ぎ電力を復旧させるために緊急停電が必要だと説明した。キーウを含む各地で断水も発生したほか、隣国モルドバでも大規模停電が起きた。

キーウでは23日の攻撃で、クリチコ市長によると17歳の少女を含む3人が死亡、11人が負傷した。ゼレンスキー大統領は声明で「われわれは不屈の国民で、全てを乗り越える」と強調した。

ウクライナ空軍は23日、ロシア軍の長距離戦略爆撃機ツポレフ95や黒海艦隊が発射した巡航ミサイル「カリブル」約70発のうち、51発を撃墜したと発表。無人機5機も撃ち落としたとしている。

エネルゴアトムによると、西部のフメリニツキーとリブネ、南部の南ウクライナの3原発は送電網の状態が安定すれば外部への電力供給を再開する。ロシア軍に占拠され9月に稼働を停止した南部のザポロジエ原発では原子炉冷却に必要な外部からの電力供給がなくなり、非常用のディーゼル発電機が作動した。(共同)