フィンランドで11日、大統領選の決選投票が行われた。北大西洋条約機構(NATO)を重視し、隣国ロシアにより強硬な姿勢を取る中道右派、国民連合のアレクサンデル・ストゥブ元首相(55)が51・6%を得票し、接戦を制した。対立候補の環境保護派、緑の党ペッカ・ハービスト前外相(65)の得票率は48・4%だった。両氏とも対ロ強硬派。

昨年4月のNATO加盟後初の大統領選だった。ストゥブ氏は当選を受けて記者会見し「ロシアがウクライナへの侵攻を続ける限り、プーチン大統領とのいかなる政治的対話も難しい」と訴えた。ウクライナ支援を続けると強調し、NATOに懐疑的なトランプ前米大統領が返り咲きを目指す今年11月の米大統領選を「注視していく」と話した。

タス通信によると、ロシアのペスコフ大統領報道官は12日、「新しい国家元首がロシアとの関係でもっとバランスの取れた対応をするよう望んでいる」と述べた。

フィンランドはロシアと約1300キロの国境で接する。軍事的中立を取ってきたが、2022年のウクライナ侵攻を受けて路線転換し、NATOに加盟した。米国の「核の傘」に入り、NATOの核抑止政策にも関わることになる。フィンランド放送協会によると、ストゥブ氏は核兵器運搬の際のフィンランド国内通過を許容するが、ハービスト氏は核兵器の持ち込みを拒否していた。

フィンランドの大統領の権限は限定的だが、軍最高司令官を務め、外交・安全保障面では議会や内閣と協議の上で主導的な役割を担う。NATOの会合にも出席する。大統領選はニーニスト大統領(75)の任期満了に伴い実施された。(共同)