太平洋戦争中の1944年、長崎県諫早市の山中に輸送機「五竜号」が墜落した事故から12日で80年となり、墜落現場近くの寺院で追悼の法要が営まれた。軍人ら12人が犠牲になったとされ、参加した遺族や市民が黙とうし、悲劇を語り継ぐことを誓った。

遺族や長崎選出の国会議員、地元の高校生ら約60人が出席。亡くなった森本義一少将=京都府出身=のひ孫で東京都の重松香子さん(47)は「家族は戦争で義一を含め3人を亡くした。地球上では争いが絶えないが、戦争のない世の中になることを願う」とあいさつした。僧侶が読経し、平和学習で事故について学んだ諫早商業高の生徒によるスピーチも行われた。

事故を長年調べてきた地元住民の団体「あけぼの会」によると、五竜号は軍民共用の航空機。80年前の2月12日、軍人ら12人を乗せて台湾から福岡に向かう途中、悪天候のため、現在の諫早市高来町の山中に墜落した。事故は当時公表されず、戦後、市民有志が慰霊碑を建てるなどして伝承を続けてきたという。

法要会場では機体の残骸や遺留品も公開され、同会の野口悟一会長(75)は「身近に犠牲者がいたことを心に刻んで、活動を未来に引き継ぎたい」と語った。(共同)