東京都の小池百合子知事は15日、20年東京五輪のボート、カヌー会場見直し問題で、大会組織委員会に「不透明だ」と批判されたことについて記者団に問われ「透明にすべきところはもっとあるのでは」と組織委を批判し返した。都政改革本部が挙げた候補地の長沼ボート場(宮城県登米市)を視察後に発言した。

 14日の定例会見で見直し候補地の1つである埼玉県の彩湖について問われ「埼玉県の上田(清司)知事からは、埼玉には主要な競技が来るので十分ですという話をいただいた」と話したことに、組織委が「水面下で他県知事とだけ話し合うのは極めて不透明なやり方ではないか」とかみついた。それを受け上田氏も「(小池氏と)電話で話したことも会って話したこともない」と反論していた。

 小池氏は「知事就任後(上田知事と)御祝いの食事をして一杯やりました。(話したのは)その時です」と説明し、「長年の友人の知事同士で何が不透明なのか」と憤った。

 小池氏の視察に同行した宮城県の村井嘉浩知事も援護射撃。「(小池氏は)長沼ありきなんて全くおっしゃっていない。水面下なんてない。組織委員会に不信感を持った。何でもかんでも、いちゃもんを付けてくる。あれでは五輪はうまくいかない。被災者いじめだ。非常に情けない。もう少し大人の対応をした方がいい」とばっさりと斬った。