民進党の有志議員で結成された野球チーム「民進カチマス」が23日、東京・三鷹市で女子中学生チームと初陣に臨み、1-8と惨敗した。

 相手は、全日本女子軟式野球連盟に所属し、全国大会にも出場した経験がある強豪「三鷹クラブW」。

 これに対し、民進は、元高校球児の前原誠司元外相(54)が主将を務め、東大野球部で投手だった階猛衆院議員(50)ら経験者7人をそろえて、いざプレーボールとなった。

 しかし、結成は先月で、その後も練習の時間は取れず、実戦としてはこの日がぶっつけ本番。1回裏に早くも1点を失い、高校時代、エースで主将だった那谷屋正義参院議員(59)の力投むなしく、エラーや悪送球が重なった2回裏、一気に4失点した。

 ムードが変わったのは6回表だ。広島カープのセ・リーグ優勝の勢いをかってか、広島選挙区の森本真治参院議員(43)がタイムリーを打って1点を返し、チーム初得点を記録した。その後、満を持して前原氏が代打で登場したが、デッドボール。出塁はしたものの、「デッドボールではなく、打ちたかったなあ」と、くやしさをみせた。結局、後続が倒れ、得点はこの1点止まり。6回裏にはエラーが続いて3失点し、万事休すとなった。

 最終回の7回表の攻撃では、奇跡の逆転を信じ、マネジャーを務める山尾志桜里・前政調会長(42)を急きょ代打に送り出したが、あえなく三振に終わった。

 「民進カチマス」結成には、党内対立がなかなか解けない同党にあって、「一枚岩になるきっかけになれば」(前原氏)との願いも込められた。試合後、前原氏は「練習もできず、久しぶりの(実戦の)方も多い中、女子中学生の皆さんの士気を壊さず、いい緊張感の中でどう試合ができるかが課題だった。それはできたと思う」と、振り返った。「初戦を勝てなかったのは残念だが、女子中学生東京代表のレベルの高さを実感できた。今後は少しは練習し、民進カチマスとして1勝を目指したい」と、述べた。山尾氏は、10代女子の奮闘を目のあたりにして「女子の時代だな、という感じです」と称賛した。

 「三鷹クラブW」の水口弘人総監督から、「女子野球にもっと注目を集めてほしい」と協力を要請されたのが、この日の対戦のきっかけになった。水口氏は「2020年東京五輪・パラリンピックでは、エキシビションでもいいので、女子野球がプレーできる場を実現してもらえたら」と話していた。