2016年の漢字は「金」-。日本漢字能力検定協会は12日、京都市東山区の清水寺で1年の世相を1字で表す「今年の漢字」を発表した。リオデジャネイロ五輪の日本「金」ラッシュ、舛添要一前東京都知事ら政治と「カネ」に揺れた1年の意味が込められている。

 森清範貫主(かんす)が清水の舞台で広島県産の特大の熊野筆で記したのは、4年ぶり3度目の「金」だった。シドニー五輪の00年、ロンドン五輪の12年に続き、リオ五輪が開催された今年の漢字に選ばれた。95年に始まった「今年の漢字」も22文字目。複数回選ばれているのは「金」の1字だけだ。

 今年の漢字は11月1日から今月5日まではがきやインターネット、清水寺や全国の書店など約900カ所の応募箱に応募された15万3562票を集計した。1位の「金」は6655票(4・33%)で、2位の「選」の4723票(3・08%)に1ポイント以上の差をつけた。

 日本漢字能力検定協会は「金」が選ばれた理由について「リオ五輪にわき、東京五輪に希望を託した『金』と政治と金(カネ)問題に揺れた年」と分析。応募理由には「リオでの金メダル。舛添前都知事の税金の私的流用、イチローのメジャー3000安打の金字塔」などのほか「ピコ太郎の金ピカ衣装」などがあったという。米大統領選を制したトランプ氏のトレードマークの髪も「金」髪、マイナス「金」利も理由に上がった。