警視庁捜査3課が2年越しで、高額宝石の泥棒集団を捕まえた。中国人窃盗団「ピンクパンダ」のメンバーとみられる中国籍の陽快開容疑者(37)ら男女3人を、23日に窃盗の疑いで逮捕したことが分かった。

 逮捕容疑は昨年1月、東京ビッグサイトで開催された宝石展示会でダイヤモンドの指輪、約280万円相当を盗んだ疑い。指輪のほかに真珠のネックレス(約1450万円相当)もなくなっており、同課が調べている。今年も開催された同展示会に3人がノコノコと現れたところを、張り込んでいた捜査員が発見した。3人は容疑を否認している。

 捜査3課によると昨年1月20日、約1200社が出展していたところに3人が来場。店員と話した後、指輪がなくなっていることが、防犯カメラに写っていた。3人は事件当日に中国へ出国、同課は逮捕状を取って捜査していた。

 今年も再び来場する可能性があるとみて、主催者側も各出展社に警備の増員、防犯カメラの増台など、厳戒態勢を敷いていた。主催者は「警察としっかり連携できた。宝石は高額なので他のイベントより警備は強化している」とした。

 東京ビッグサイトでの警備実績を持つ警備会社によると、外国人の窃盗には特徴があるという。「大掛かりなものにしろ、万引にしろ、白昼堂々やるということが多い。大人数が集まるイベント会場などは、特に狙われやすい」と説明した。「主催者側も警備はつけるが、大きなイベントになるほど、部外者が紛れ込む可能性は高い」という。

 国際窃盗団は、世界各国で高級宝石店を狙う旧ユーゴスラビア出身者らのグループ「ピンク・パンサー」が知られている。ピンクパンダは中国湖南省出身の一団で、逮捕された3人も同省出身。