自由党の山本太郎参院議員は2日の参院予算委員会で、安倍晋三首相の昭恵夫人が、学校法人「森友学園」が開校予定の小学校の名誉校長を辞任したことなどを念頭に、「アッキード事件」と発言、首相が「その言い方は限度を超えている」と、強い不快感を示す場面があった。

 山本氏は、「この『アッキード事件』で、誰より詳しい方に国会に来てもらいたい」と述べ、夫人の参考人招致を求めた。

 その後、与野党の理事が山本一太委員長と協議。山本委員長は「山本議員の発言に不適切な言葉があった。適切な処置を取りたい」と注意した。

 首相も答弁に立ち、「少し言葉の使い方に気をつけていただきたい。『アッキード事件』という言い方は、限度を超えている。この問題の核心とは関係なく、人の名誉を傷つけるために、委員会の場を活用することは不愉快、遺憾であるということは申し上げておきたい」とくぎを刺した。

 山本氏は、今回の一連の問題に関し、「(学園側に)迷惑をかけられたように言うのは失礼ではないか。押し売りにあった被害者みたいな顔をしているが、ご夫婦の(人を)見る目がなかったからこういう結果を迎えただけ」と皮肉った上で、「お騒がせの、『ゆるふわ』総理夫人がやらかしたこの1件で、総理として、夫として謝罪は一切ないのか」と首相を追及した。

 首相は「妻も独立した人格として、さまざまな判断、発言をする。そんな生き方は尊重している」と理解を求めた。