自由党の山本太郎共同代表は21日の定例会見で、籠池泰典・森友学園理事長の証人喚問に関し、「『面白おじさん』に仕立てられた人をつるし上げることが、今回の問題の本質ではない。今のままなら、証人喚問が『大人のリンチ』になりかねない」と述べた。籠池氏だけの証人喚問で、真相解明につながるかどうかと警戒感を示した。

 籠池氏について「普通に考えて、マスコミに100人単位で囲まれれば、誰でもパニクると思う。メディアへの露出という部分は、かなり変わった人だという取りあげ方が先行し、『面白おじさん』に仕立てられた」と指摘。「その人の学校を一刻も早くつくらせるために、どのような動きがあったか。決定に関わった人が出てきて話さなければならない」と述べた。

 山本氏は16日、森友学園の小学校建設予定地だった土地を視察した参院予算委員会メンバーの一員。籠池氏について「普通の方だった」と述べた。

 籠池氏が同日、安倍晋三首相から昭恵夫人を通じて100万円の寄付金を受けたと主張したことを受け、自民党が「総理への侮辱」として証人喚問にかじを切った経緯を理由に挙げたことを引き合いに、「面白おじさんを、より面白おじさんで変な人という進め方をされる可能性も否めない。そうなれば、本当にしっぽ切りされ、この問題はこれで一件落着に向かう可能性がある」とも述べ、懸念を示した。

 小沢一郎共同代表も、「民間人の籠池氏の力で、国有地がただ同然で払い下げられることはあり得ない」と指摘。財務省や国土交通省の担当者など「(国有地売却で)職務を持った人に、第2弾、第3弾で来てもらい、真実を明らかにすべきではないか」と強調した。

 また小沢氏は、籠池氏の証人喚問が行われる23日午前の参院予算委員会と、午後の衆院予算委員会の間に、衆院本会議が設定されている日程に疑問を呈した。「こんな例はないのではないか。国民の大きな関心事なので、1日くらい集中してしかるべきだ。こういう国会運営は、僕の経験、常識からはよく分からない」と述べた。