大阪市の学校法人「森友学園」理事長退任の意向を示している籠池泰典氏に対する証人喚問が23日、国会の衆参両院の予算委員会で行われた。国会での証人喚問は5年ぶり。

 小学校の建設用地として国が売却した土地が、地中から大量の家庭ごみが見つかったとして、8億円以上も不可解に値引きされたこと、安倍晋三首相と昭恵夫人から100万円の寄付を受けたなどと発言したことの真偽、小学校の認可に政治家が絡んだか、などの焦点がある中、午前10時から始まった参院予算委員会での証人喚問では、異例の10分間の発言時間が設けられた。

 山本一太委員長 あなたは(戸籍名の)籠池康博君、ご本人ですか。

 -はい、そうでございます。

 私は真に日本のためになる子どもを育てたいという思いから、小学校の開設に努めてきました。安倍首相や昭恵夫人、府議会の先生方にご理解いただいたことは感謝します。ご期待を受けて舞い上がったところがあります。契約書を3種類、作成したことや、不行き届きが発生しました。反省すべき処は反省し、行政の指導を受け反省したい。新しい小学校を開設する手続きの中、各方面から疑問の声が出て申請を取り下げました。手のひらを返した人がいて、どうしてと思った。真に日本国のためになる小学校を作る。松下村塾が念頭にあり、安倍首相に敬意を表するために「安倍晋三小学校」として了承いただきましたが、昭恵夫人から了承できないときたので。昭恵夫人には教育理念に賛同していただいていると思った。3度、視察にいらした。27年9月5日、公演の控室で理事長室で、私と2人きりになって「安倍晋三からです」と封筒に入った100万円をいただいた。私たちにとって名誉なことなので、覚えております。府議会議長の先生からのご理解も忘れられない。先生は松井知事のお父さまと近い方。維新の立ち上げにも力を尽くした。府の申請では、特別なご理解をいただいたと感謝していますが、その後、府の中で何があったか分かりません。豊中の土地取引は紹介を受け、土地を確保したいと思った。土地の定期借地契約を結び、もっと長い時間、借りられないかと思い、昭恵夫人の携帯にかけた。平成27年10月のことです。留守電を入れ、夫人付きの谷さえこさんから難しいといただいた。ファクスでも難しいとお言葉をいただきました。私は財務省の中で、何が起こったのか理解しておりません。あの土地にヒ素や鉛などの有害物質があるのは契約書からも明らかだったが、新たに生活ゴミが出た。以降の土地取引に関して、酒井康生弁護士にお任せし、想像外の値引きでビックリしました。迫田理財局長、弁護士に聞いてほしい。私は申請を取り下げたが断腸の思い。私だけを悪者にする政府、大阪府の対応はおかしいと思った。29年3月15日に、顧問弁護士辞任を酒井弁護士から言われ、私は理解できなかった。妻のところに、昭恵夫人から「主人にとっても大変なことに巻きこまれたと理解してほしい」などと口止めとも取れるメールが来た。考え方に共鳴しているなどと理解していただいたから、理解できない。多少、無理をしてしまったことがあるかもしれない。私だけが、トカゲのしっぽ切りで罪をかぶるのではなく、国会で正直にしゃべり、真相を究明してほしい。