「『態度が悪くて、申し訳ありません』みたいな謝罪だけで、終わっちゃった。謝るのはそこじゃない」

 今村雅弘復興相が4日に開いた定例会見で質問した際、「出て行きなさい」「うるさい」などと声を荒らげた相手のフリージャーナリスト、西中誠一郎氏(52)が7日、今村氏の定例会見に出席後、日刊スポーツの取材に応じた。

 4日の会見では、西中氏が東京電力福島第1原発事故を受けた自主避難者に対し、3月31日で住宅無償支援が打ち切られたことに関して、国側の責任に関する見解を問ううちに、今村氏が激高した経緯がある。

 西中氏は、「僕は怒鳴られても別に構わない」とした上で、「大臣にちゃんと方策を示してもらい、それに対して僕が失礼なことを言ったとすれば、怒鳴られて当然だ。でも、(国として)やっていないという指摘に対して(今村氏は)怒鳴られた」と指摘。「自分自身、何もやっていないことを隠しているだけで、僕が誘い出しているわけではない。大臣が胸に手を当てて聞いてくださいとしか言いようがない」と、述べた。

 今村氏はこの日の会見で、「自己責任」発言を撤回したが、記者に「何がまずくて撤回するのか」と指摘されると、「自己責任という言葉が、誤った印象での使われ方をした」などと、あいまいに釈明した。

 西中氏は、自主避難者や支援者から、辞任を求める署名が提出されたことを念頭に「皆さんが何に怒っているのか、大臣は理解されているのか。きょうの会見でも、謝罪の意味を具体的に答えられなかった。自分の言葉がないんでしょう」と指摘。「このまま大臣に無機質な言葉を積み重ねられても、現状打開につながらないから辞めてほしいという思いが、(辞任要求の)署名につながっている」と指摘した。

 また、「実際に避難をしている人などで声を上げられないケースが多い中、(会見や抗議活動などで)いろんな声が重なり合うことで、政府が、具体的な政策をつくらないといけないという気持ちに変えていかないといけないが、今日の時点ではまったく見えなかった」とも述べた。

 西中氏はこの日、会見の中盤で、自主避難者に対する住宅支援の認識などを質問。今村氏は「指針に基づき、1つの線引きをして決めた。それに沿ってやっている」と、そっけなく答えた。そのため、再度質問しようとしたが、この日事務方は報道陣に、「1人につき質問は1つ」と通達。西中氏の問いかけは事務方に制止され、それ以上の追及はならなかった。