現役中学生で将棋の最年少プロ棋士、藤井聡太4段(14)はインターネットテレビ「Abema(アベマ)TV」で23日に放送された非公式戦の対局で、棋界トップに君臨する羽生善治3冠(46)を破る白星を挙げた。

 ネット上で「神対決」などと注目された対局は、先手番となった藤井4段が中盤以降にリード。一時、羽生3冠に追い上げられたものの111手で勝ち切った。

 藤井4段は対局後、「とても楽しい時間で、あっという間でした。羽生先生の将棋を見てここまで来た部分もありますし、勝ったのは特別な感慨があります」。羽生3冠は「藤井4段は鋭い攻めの印象。新人とは思えない落ち着きを持っている。どんな棋士になるか、とても楽しみです。すごい人が現れたなあ」と、天才少年のさらなる成長を期待した。

 対局は羽生3冠のほか、将棋連盟会長の佐藤康光9段(47)、現役A級棋士の深浦康市9段(45)ら7人の実力派プロと対戦する番組企画。この日放送分が最終局で、藤井四段は通算6勝1敗。若手のホープ永瀬拓矢六段(24)に敗れただけという驚異的な結果を残した。

 藤井4段は、愛知県瀬戸市在住の中学3年生。昨年10月に最年少の14歳2カ月でプロ入りを果たし、現役最高齢棋士の加藤一二三9段(77)が持っていた14歳7カ月の最年少記録を62年ぶりに塗り替えるなど、注目されていた。

 デビュー以来負けなしの公式戦では、26日の棋王戦予選で平藤真吾7段(53)と14連勝をかけて対戦する。