「『ずぶずぶの関係』とか、そんな品の悪い言葉を使うのはやめた方がいい。それが、民進党の支持率に出ている」。

 安倍晋三首相は8日、衆院予算委員会集中審議で、学校法人「森友学園」問題に絡み、一時名誉校長に就任した昭恵夫人と学園側が「ずぶずぶの関係」にあったと指摘した民進党の福島伸享議員に、強い不快感を示した。

 福島氏は、昭恵夫人が名誉校長に就任した時期が、学園側と財務省の交渉中だったことについて、「首相夫人として不適切」と指摘。その上で、名誉校長について「単なる名誉職というより、言ってみれば(学園側と)『ずぶずぶ』の関係だ」と述べたもの。

 これに対し首相は、支持率が低迷している民進党の現状を念頭に、「そういう姿勢は、はっきり申し上げて誰も支持しない。私は、親切に申している」と述べた上で、「民進党にも少しは、中身のある質疑をしてほしい。少しはね。少しは」と、皮肉った。

 午前中の集中審議で、民進党は森友問題に時間を割いて質問。各種世論調査で、政府の説明不足が指摘されていることもあり、福島氏は事実関係に関して首相に見解を求めたが、首相は「政府として説明していくことが大切」と述べながらも、「福島さんは、籠池(泰典・前理事長)の証言を信用して、一方的に発言している」と反論。籠池氏が、「安倍晋三記念小学校」という名称の使用を首相に断られながら、その後も使用していたことを引き合いに「問題ですよ。それなのに、その人の言葉を信用し、品の悪い言葉も使っている」と批判した。

 これに対し、福島氏は昭恵夫人について「部内者として、昭恵夫人が(森友問題に)いちばん関わっている。否定するなら国会に出てきて、ここで説明すればいい」と、首相に反論。大型連休中、夫婦水入らずの時を過ごした首相に「国会に出て説明するように(首相が)言えばいい」と皮肉り、夫人の国会招致をあらためて要求した。

 民進党は当初、この日の予算委員会に、籠池氏を参考人として出席させるよう要望。籠池氏も大阪から上京し、国会内でスタンバイしていたが、理事会で出席が認められず、一般傍聴席から審議を見守った。