東京都議選(6月23日告示、7月2日投開票)で、小池百合子都知事と自民党東京都連が激突する象徴的な選挙区の1つ、千代田区(定数1)の構図が、固まった。同党の千代田総支部は11日の常任総務会で、任期限りで都議を引退する「都議会のドン」こと内田茂氏(78)の後継者に、金融関連の会社員、中村彩氏(27)を正式に決定した。

 以前から政治家志望という中村氏は、「都議選というより志の高い人と勉強したかった」として、小池氏が塾長を務める「希望の塾」に在籍した元塾生。その縁で、小池氏が特別顧問の「都民ファーストの会」から都議選出馬の誘いを受けたというが、「自民党でないと政治は動かせない。区長選で負け、逆風の厳しい選挙でも、将来を考えると、自民党から出ることが、私のためにも都民のためにもなると思った」という。

 小池氏を「女性のロールモデルになる政治家」とした上で、「議員としては素晴らしいが、知事としてはどうか。都議会で決まっていたことをひっくり返され、都民として裏切られた思い」と指摘。築地市場の豊洲移転についても「すぐに移転すべき」と述べた。

 51歳年が離れ、世代交代を印象づけたい後継者と同席した内田氏は、中村氏について「政治へのはっきりした思いがある」と述べた。昨年の都知事選で、小池氏に惨敗。今年2月の千代田区長選では、推した候補が小池氏系の現職にトリプルスコアで敗れた。今回は3度目の対決。小池氏VSドンの「最終戦争」(自民党関係者)といわれ、都議選後の双方の力関係も占う。選挙戦は、激しさを極めそうだ。【中山知子】