自民党の若狭勝衆院議員(東京10区)は5月31日、党本部で二階俊博幹事長と会い、離党届を提出した。面会後、報道陣の取材に、東京都議選(6月23日告示、7月2日投開票)で、小池百合子都知事が率いる「都民ファーストの会」を応援するためとして、「けじめをつけたい」と述べた。

 ただ、若狭氏は先月29日、「進退伺」を提出したばかり。小池氏と同様、自身の立場に関する判断を党側に委ねる形を取ったが、この対応に「(周囲から)あいまいな形はひきょうだと言われた」ため、一転、離党届提出に踏み切った。一方、二階氏は離党届をただちに受理せず「幹事長預かり」としたことを明かした。「すぐに受理しなければいけないほどの大物議員ではない。我々は民主的な政党だ。関係者の意見を聞きたい」と述べた。

 小池氏に近い若狭氏の対応は、同様に自身の自民党籍の扱いを党側に委ね続けてきた小池氏の「二重党籍」問題を、あぶり出す形になった。小池氏と敵対する下村博文都連会長は「小池氏は決められない政治家だ。政治家の矜持(きょうじ)として自民党員を辞めるのが筋だ」と指摘。「追い詰め作戦」に入った。都連とは対立しても党本部とは協力関係を保ち、自民党への対応を使い分けてきた小池氏の「戦略」は、最終決断のヤマ場を迎えた。