将棋の最年少プロ棋士、藤井聡太四段(14)が7日、自身の持つデビュー後の連勝記録を「23」に更新した。大阪市の関西将棋会館で指された上州YAMADAチャレンジ杯のトーナメント戦で3連勝し、歴代3位タイの22連勝の記録(92年)を持つ羽生善治3冠(46)を一気に抜いた。23連勝は歴代単独3位。歴代最長の連勝記録となる神谷広志八段が記録した28連勝(87年)を視界のとらえた。

 この日午前の1回戦では、都成竜馬四段(27)を93手で破った。午後からの2回戦では阪口悟五段(38)に139手で勝ち、3回戦では宮本広志五段(31)を破り、ベスト8に進出した。

 藤井四段は昨年10月、史上最年少の14歳2カ月でプロデビュー。それまで現役最高齢の加藤一二三(ひふみ)九段(77)が持っていた14歳7カ月の最年少記録を62年ぶりに塗り替えた。

 4月4日にはデビュー後11連勝を達成し、プロ公式戦の新記録を樹立。今月2日には第43期棋王戦予選決勝で沢田真吾六段(25)を決勝トーナメント進出を決め、連勝記録を「20」に更新していた。

 上州YAMADAチャレンジ杯は出場資格は五段以下でプロ入り15年以下の棋士。持ち時間20分の早指し戦となる。

 終局後、藤井四段は「羽生超え」について「1局1局という気持ちで指してきた。ここまでくることができたのは驚きです。うれしいです」と話した。

 次戦は東京・将棋会館で10日にある叡王戦で梶浦宏孝四段(21)と対戦する。「気を引き締めて臨みたいです」と意気込んだ。

 この日は東京、大阪の将棋会館で扇子が発売された。「自分の書いた字が扇子になるのはうれしい。『大志』には上を目指していきたいという思いを込めました」と話した。