元日弁連会長の宇都宮健児氏(70)が15日、都内でシンポジウム「希望政策フォーラム 18歳からわかる都議選のキホン-生活・働き方・教育……」を開催した。

 宇都宮氏は、小池百合子知事(64)の当選後、初の選挙となる23日告示の東京都議選(7月2日投開票)について考えるシンポジウムで選挙の争点について聞かれると、都民の1番の関心事が築地市場の豊洲移転問題であるとした。

 その上で、小池知事が代表を務める「都民ファーストの会」が、同知事の判断を待つスタンスで市場問題について政策を発表していないことについて、「小池さんの出した方針を推進、賛同するなら議会はいらない。(太平洋戦争下の)大政翼賛会と同じ。都民ファーストの会は、議会を何だと考えているのか?」と疑問を呈した。

 宇都宮氏 石原、舛添都政の時は、支援してきた自民党、公明党は知事が出した方針を推進、応援してきた。それでは都政をチェックできない。都民ファーストの会で言えば(市場問題について)各会派の政策が対立しているが、都民ファーストの会だけが、小池さんの判断を待つということで政策を発表していない。2元代表制の中の知事と議会が、どういう役割がいいのか考えないといけないし、あり方が問われている。

 宇都宮氏は「都民ファースト」を掲げる、小池知事の都政自体にも疑問を呈した。

 宇都宮氏 都政は基本的に、都民の暮らしや福祉を充実させるのが1番、大きな課題。小池さんは当初、豊洲の問題や(20年東京)五輪競技場の建設費の問題は、いろいろ華々しく打ち上げましたけど、都民の暮らしはどうするのか? 社会保障で、どういう政策を打ち出しているのか…こちらも重要な争点だと思いますが、これまでの報道では光が当たっていない。小池さんの都民ファーストという中に、本当に困っている人たち、少数者が入っているのか?

 宇都宮氏は、参加した市民とのワークショップの中で意見交換した後「民主主義は選挙の投票が基礎になる。選挙に行きましょう。若い人に1人でも多く選挙に行ってほしい」と呼び掛けた。【村上幸将】