北朝鮮による弾道ミサイル発射が相次いでいることを受け、日本各地で避難訓練が行われている。

 全国初の弾道ミサイル避難訓練は3月17日、秋田県男鹿市で行われ、沿岸部の住民が公民館や小学校に避難した。6月には山口県阿武町、山形県酒田市、広島県福山市、新潟県燕市、福岡県吉富町などが実施。来月予定している富山県高岡市では駅地下街や歩道のアンダーパスの利用など、地域ごとに避難場所の工夫がみられる。

 日本海側が多いが、内閣官房の伊藤参事官は「太平洋側は落下しないかと言えば、そうは言い切れない。避難訓練をしてほしいのは全国が対象」と言う。弾道ミサイルからの避難が津波や洪水、原発事故の避難と最も大きく違うのは「どこで発生するか分からない点」と強調した。

 弾頭が核兵器や生物化学兵器だったり、原発が被害を受けた場合、その後の広域避難も必要になる。しかし、そこまでの広域訓練は行われていない。伊藤参事官は、基本的には着弾地点など被害の中心を通る風向きに対し、直角方向に遠ざかるよう求めている。