小池百合子都知事が、「都民ファーストの会」代表として挑む東京都議選(7月2日投開票)の告示が、23日に迫った。日刊スポーツは、連載企画「TOKYO決戦~小池劇場ふたたび~」で、戦いの裏側を追う。第1回は、政治ジャーナリスト角谷浩一氏(56)の各党獲得議席予測。127議席中、自民は46議席で比較第1党の勢いだが、都民フ、公明などの小池氏系勢力で、過半数の64議席を超える可能性がある。注目選挙区も予想した。注目の首都決戦の行方はいかに?

 小池氏は、都議選告示を前に、懸案の築地市場移転問題で新たな視点の提案をした。「早期豊洲移転、税金の無駄遣い」を声高に唱えてきた自民党都連の選挙戦略を、狂わせた。

 一方、小池氏が考えを明確にした市場問題は、都民ファーストの会(以下、都民フ)の政策を明確にする必要も生んだが、そもそも都議選の争点は市場問題だけではない。今回当選する都議は、20年東京五輪・パラリンピックを見届ける立場。施設整備、交通インフラなども急務の1つ。待機児童問題など、普遍的テーマも突きつけられている。

 選挙区は42。1人区から8人区まであり、その中で各党がしのぎを削る。

 選挙戦は、人気先行の都民フと、盤石な地盤の自民、公明、共産の老舗政党との票取り合戦だが、民進の公認予定者が、大量離党で都民フに「鞍替え」。公認、推薦と立場は違うが、党から逃げ出したことで、混迷を深めている。

 同一選挙区での複数候補擁立に関しては、自公は組織内ですみ分けをするが、都民フにその作業が可能なのか。初陣で組織票を持たない都民フに対する、有権者の動向は不透明だ。

 注目選挙区の情勢だが、1人区の激戦区千代田は、都議会のドンといわれた内田茂氏と、小池氏の代理戦争。接戦だが、自民有利か。築地の地元・中央区は、自民新顔の石島氏と自民離党のベテランの立石氏に、都民フの西郷氏が挑む。石島氏が抜け出すか。

 北区は都議会自民幹事長の高木氏、公明の大松氏、都民フ・音喜多氏が抜け出せるか、接戦が続く。江東区は自公共を軸に、民進を離党した柿沢氏が都民フの支援で食い込むかが焦点。

 板橋区は、下村博文・自民都連会長と小池氏の代理戦争。現職5人に、都民フの2人が挑む。自民の松田、河野両氏、都民フの平氏は下村氏の元秘書。共産が抜け出し混戦か。武蔵野市は、最大の激戦区。都民フの鈴木氏が抜け出すか、最後まで分からない。

 各党の獲得議席数は、投票率でかなり変わる。50%以下なら自公が勝つが、50%を超えると都民フ、共産が伸びる。すべては無党派層にかかる。民進は、結果が蓮舫代表の進退につながる可能性がある。