自民党都連会長の下村博文幹事長代行(63)のおひざ元の板橋区には、定数5に10人が出馬。自民現職の河野雄紀氏(47)と松田康将氏(40)の2人と、女優平愛梨(32)の実弟で都民ファーストの会から出馬した平慶翔氏(29)はいずれも下村氏の元秘書だ。下村氏は小池百合子都知事(64)率いる都民ファーストの会から出馬した平氏について「裏切られた」と発言。弟子筋同士の、仁義なき戦いが繰り広げられている。

 サッカー日本代表長友佑都と女優平愛梨の結婚式から一夜明けた都議選のファーストサンデー。平氏の応援に、小池氏が乗り込んだ。結婚式にも平氏と共に出席した小池氏は「長友さんと平愛梨さんのアシストと、みなさんの1票のアシストで、ゴールを決めさせてください」と、サッカーにかけて支持を訴えた。

 平氏は「下村博文代議士の秘書として、板橋区を3年6カ月回らせていただきました」と出自は隠さず自己紹介。下村氏の自民党からでなく、小池氏のもとから出馬した理由を「秘書時代、多額の寄付、献金をいただく方々、パーティー券を買っていただく方々の陳情は優遇され、本当に困った方々のお願いごとが優先できなかった」と説明。「忖度(そんたく)政治、しがらみ政治でなく、声を上げられない方々の声を届ける大改革に加わりたい」と安倍政権批判も交えて訴えた。姉夫妻からも「頑張れ」と応援を受けたという。

 一方の下村氏は告示日の23日、元秘書の2人を応援。松田氏を「教育、子育ての問題を進められるのは全候補中で、松田がピカイチ」、市場移転問題をめぐる百条委の委員も務めた河野氏を「全国に通用する論客」とし、支持を訴えた。演説後、平氏については「一生懸命やっていたが、裏切られた思いだ」と話した。