首相の「お友達」が次々登場する加計学園問題は今もくすぶり、告示直前に豊田真由子衆院議員のパワハラ問題が発覚。「共謀罪」法案の強行採決もあり、内閣支持率は急落。都議選を直撃している要因はすべて、国政発の問題だ。同党が、小池百合子知事が代表を務める「都民ファーストの会」に後れを取っているとの調査もある。現職候補の1人は、「一層の責任を感じないといけないのは政府、執行部だ」と話した。首相はこの日、台東区の小学校の体育館で都議選の党候補集会に出席したが、26日に続き対象は支援者のみ。支持固めを優先するためだが、ヤジが飛びかねない街頭演説は、この日も見送り。首相の「内弁慶」ぶりが強まってきた。

 首相は「かつてない厳しい選挙。ひしひしと感じている」と苦戦を認めた上で、「自民党は何をしているとおしかりも受けている。党総裁としておわびしたい」と陳謝。稲田氏の発言には、触れなかった。

 首相が稲田氏を守るのは、閣僚の辞任が相次ぎ、退陣につながった第1次政権の悪夢を避けたい思惑もあるようだ。早ければ8月上旬とされる内閣改造での交代が有力視されるが、その前に都議選で都民の審判が下る。結果次第で、政権への打撃は避けられない。稲田氏を守るリスクはそれだけ大きい。【中山知子】