学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画をめぐる真相解明に向けて、衆院文部科学、内閣両委員会による閉会中審査が10日、開かれ、参考人として文科省の前川喜平・前事務次官が出席した。

 前川氏は、「内閣府が仕事を進めるに当たり、官邸の動きはあったと思う」と述べ、加計学園への国家戦略特区活用決定に当たり、官邸の関与があったと指摘。「結論までのプロセスに問題があると思う。どの主体が規制改革の恩恵を受けるのかという過程で、(岩盤規制に)穴をあけるかどうかではなく、穴のあけ方に不公正、不透明な部分があったと思う」とも述べ、加計学園に決まった経過に疑問を示した。

 「初めから加計に決まるように、進めてきたように見える」とも述べ、今回の流れが「加計ありき」だったとの認識を、あらためて証言した。

 一方、安倍晋三首相の側近、萩生田光一官房副長官の関与があったとされる問題で、同氏の発言を記したとされる「10/7萩生田副長官ご発言概要」とする内部文書について、前川氏は「私が担当課から説明を受けた際に、受け取った文書に間違いない」と、明言した。

 これに対し、萩生田氏は、実際に昨年10月7日に、自身の事務所で文科省の幹部と面会したことは認めたが、「私から指示したことはない」「発言した記憶はない」と、前川氏の主張に反論した。