学校法人「森友学園」(大阪市淀川区)の籠池泰典前理事長は10日、大阪府議会本会議で開かれた参考人質疑に出席した。質疑冒頭、籠池氏は約15分間、瑞穂の國記念小学校設立の経緯などについて意見を述べた。

 発言内容は以下の通り。

 まずは初めに大水害に見舞われました九州地方の方々にお見舞いと哀悼の意を表させていただきます。

 さらには大阪府議会に私を参考人として参考人招致していただきましたことに深く感謝します。

 

 学校法人の森友学園の経営を引き継ぎましてから、天皇国日本、歴史と伝統を重んじた教育を実践してきて約20年。この間、日本国のため、日本国民のためと常に認識し、その気持ちを高め、教育にいそしんで参りました。大阪府並びに大阪市などの行政当局から、まっことに(強調しながら)親切なご指導をちょうだいし(傍聴席から笑い)、学校経営にまい進してまいりました。

 この過程において私の教育方針にご理解をいただき、維新の会の府議会議員、市議会議員、そして国会議員までもが何度も塚本幼稚園をはじめとする私どもの教育施設にお越しいただいたことは、いまだに感謝しております。

 また塚本幼稚園に隣接する新北野公園の緑地化工事に関して、こちら側がお願いする前に維新の先生方が役所と折衝していただいたこと。いま思い起こせば維新の会からのかげひなたのないご支援があったのだな~(傍聴席から失笑)と思うところであります。

 その一方、府議会、市議会のみなさまのご指導とご期待を受け、少々舞い上がっていたところも私の中にございました。結果として瑞穂の國記念小学院の私学設置認可に関する手続きで、不行き届きが発生いたしました。責任を明確にし、小学校建設に至らなかった責任をとるため、私は3月に森友学園の理事長を退任し、経営から完全に離脱しました。現在、新しい理事長のもと、法人再生を目指していくと、聞き及んでいます。

 私の不行き届きが原因で、みなさまに疑念を生じさせ、このような結果に至りましたことを、関係者、府民のみなさま、そして何よりも保護者、児童に改めておわび申し上げます。

 

 こうした反省をもとに、本日、私は府議会議員の先生方の質問に自分の知りうる限りにおいて、自分の記憶に基づいて誠実にお答え申し上げる所存です。

 みなさんもご存じのように先般、大阪地検特捜部に強制捜査によりあらゆる資料が押収されてしまいました。そのため、本日、私の記憶に基づいたものであることをご承知願います。とりわけ、学校法人の森友学園運営状況につきましてはご配慮を賜りたいと願います。

 学園の新体制は過去にとらわれず反省すべきは反省し、新たな学園運営に取り組んでいます。本日、私が行う記憶のみによる証言が1人歩きし、新体制へ悪影響を与えることは、やはり避けねばならず、学校法人の経営内容に関するご質問は慎重に答えなければいけないことをあらかじめお断りします。

(その2に続く)