学校法人「森友学園」(大阪市淀川区)の籠池泰典前理事長は10日、大阪府議会本会議で開かれた参考人質疑に出席した。質疑冒頭、籠池氏は約15分間、瑞穂の國記念小学校設立の経緯などについて意見を述べた。

 発言内容は以下の通り。

 小学校校舎建設、大阪府との折衝に関しましては、当時の顧問弁護士でありました酒井(康生)弁護士に一任していました。当時、酒井弁護士が近畿財務局や大阪府私学課とどのような折衝を続けてきたかについては、当時から報告がほとんどなく、私としても実態がどのようなものか見当がつかない。

 とりわけ今年2月から3月10日の私学設置の認可取り下げは酒井弁護士のアドバイスだけに従い、府のご要望にお応えしようとしていました。大阪府との間でどのような交渉があったかについては私よりも、酒井弁護士にお尋ねになったほうが真相究明に寄与するものと思います。

 酒井弁護士としましても大阪府議会の要請があれば、やぶさかではないと思います。問題は当方との守秘義務。私はこの場を借りまして守秘義務を解除することを宣言します。(傍聴席からどよめき)

 さて新しい国、日本を支える人材を育てる小学校をつくることはかねてからの念願であります。さまざまな規制があり、計画ができては頓挫する。その繰り返しでした。形勢が変化したのは2007年(平19)であります。

 第1次安倍政権のもと、教育基本法が改正された結果、愛国心などが教育現場に持ち込まれるようになった。かねて愛国心の重要性を考えていた私は、これを機に教育現場における愛国教育の先駆けになろうと改正後の教育基本法の内容を忖度(そんたく)し(傍聴席から失笑)、改めて愛国教育の充実に努めました。

 その結果、各方面から教育方針に賛同の声が寄せられるようになり、議員の先生方もご視察に来られるようになった。そうした機運の中で人を介して、安倍晋三先生、昭恵氏とも知り合うことになり、さまざまなご援助をちょうだいすることになったことは、いまも感謝してもしきれません。

 ただし2012年2月26日に開催されました日本教育再生機構の教育シンポジウムで安倍晋三先生と松井一郎大阪府知事が同席したことで、環境に大きな変化をもたらしました。

 あのシンポジウムの後から大阪でも教育改革の声が高まりました。そんな情勢の中、私は豊かな小学校建設が実現すると判断し、大阪府への申請に踏み切りました。

 大阪府の職員の方にもご指導いただきました。この場を借りて大阪府の職員の方にも改めてお礼を申しあげます。

 先ほど申し上げましたように、あらゆる資料がございません。府議会のみなさまにどこまで正確にお答えできるか不安な部分もあります。3月の国会の証人喚問とは違い、きょうはあくまでも参考人招致。なぜか百条委員会ではない。

 私だけがトカゲのしっぽ切りのように罪をかぶせられるのではなく、どうぞ百条委員会を設置していただき、松井(一郎)知事や(学校の設置認可を所管する)私学課長らを議会に呼んで、真相究明を進めていただきたい。