東京都の小池百合子知事は21日の定例会見で、豊洲市場に移転した後の築地市場再開発のイメージを聞かれ、米サンフランシスコにある観光地「フィッシャーマンズワーフ」を挙げた。

 小池氏は築地が持つ「職のブランド力」を生かす知恵を民間から募る考えを示した。その上で「さまざまな施設が考えられる。フィッシャーマンズワーフなどがサンフランシスコにある。(築地も)ちょうど水辺があって、そばに浜離宮があり都心の一等地にあることは変わりない」と語った。

 フィッシャーマンズワーフとはかつて漁港として栄え、現在では海産物を使った料理店やショッピングモール、水族館、遊園地などさまざまな観光施設が併設されたサンフランシスコの代表的な観光地。魚介類の水揚げもある。

 豊洲市場に造る千客万来施設も予定通り整備する方針だが、築地再開発の基本方針である「食のテーマパーク」が、千客万来施設の趣旨と被っており運営事業者の「万葉倶楽部」(神奈川県小田原市)が、撤退も検討している。

 しかし、小池氏は共存できるとし「民間のアイデアをこれから募るが、その際には千客万来施設と相乗効果が出るようにやっていく。全体で引き上げていく」と民間の知恵に期待する考えを示した。