学校法人「森友学園」が国や大阪府の補助金を不正受給したなどとされる事件で、大阪地検特捜部は27日、籠池泰典前理事長(64)と、妻の諄子氏(60)の取り調べを始めた。

 この日午後1時5分ごろ、籠池氏らは大阪地検などが入る大阪市の中之島合同庁舎に到着した。2人を乗せた車は、子ども2人と女性複数が「園長先生がんばってください」などと書いた横断幕を掲げる前を通過し、車のまま庁舎内へ入った。横断幕を目にした諄子氏は、両手を合わせて拝むポーズ。籠池氏ものぞきこむように、メッセージを目にした。

 庁舎到着時は取材への対応はなかったが、この日正午すぎ、大阪府豊中市内の自宅を出る際には、約50人の報道陣を前に、“決意表明”を述べていた。

 籠池氏は「今日はロッキード事件の田中角栄さんが逮捕された日です、東京地検に」と、田中角栄氏の名前をあげて「そういう日に私も出向くという。一点の曇りもなく、説明できるものは説明したい」と続け、庁舎へ出発した。

 特捜部はこれまで、国有地で計画した小学校の校舎建築で、国の補助金を不正受給したとする補助金適正化法違反容疑などで学園事務所を家宅捜索し、関係者を事情聴取してきた。